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海外の病院での看護記録の書き方

こんにちは。

今回は私の実習先での経験について話したいと思います。今では日本でも電子カルテが主流となっていますが、私が看護学生の時はまだ紙での記入をしていました。最終学年時の実習先ではオペ室等で電子カルテが導入され始めていました。

ちなみにオーストラリアでは看護記録のことを ”Progress Notes” と呼んでいます。Progress = 経過を見るノートとなりますね。

看護学生として一番苦労するのは看護記録だと思います。そもそもどう書いていいかわからないし、何について書けばいいのか分かりませんよね。私も最初の実習では何度も訂正された記憶があります。また、紙での記入であったので人によって書き方が違い、その度に構成や書く順番を訂正されました。

最終学年時、複数の実習先で書いていた記録について話していきたいと思います。少なくとも私はこれで実習を乗り切ったと思っています。

記入の際の注意事項は日本と変わらず、公文書となるので主観を交えず、丁寧な字で書き日付や記入者を明らかにします。また空白を開けないようにすることも日本と同じですね。

1) 社会的側面から書く。

家族か友人が面会に来たのか、電話をしていたのか、について書いていきます。日本と違い、オーストラリアの病院では遠方からいらっしゃる患者さんもいます。例として分かりやすく言えば普段は沖縄に住んでいる人が北海道の病院へ入院しに来る、というようなイメージです。飛行機を使わないと来れない、という場所から入院している患者さんもいました。

私が看護学生をしていたクイーンズランド州(オーストラリアの右上の州)では ”Holistic care” という考え方が主流でした。

この ”Holistic care” は辞書で引いてみると『全人的ケア』となります。その人の入院前の生活の状況や家族間との関係、病気や障害への看護、本人の理解度や適応について様々な方面からケアすることを意味します。

患者と一番接する時間の多い看護師が患者のことを把握しておくことで看護師以外のケアを受けることができるようになります。今後の生活への適応や仕事のこと、また金銭面でのことでより専門的なサポートを得られるようになります。例としてソーシャルワーカーさんや作業療法士さん等がいます。

この部分に患者さんのソーシャルワーカーさんが面会に来た、なども記入すると良いと思います。内容についてはソーシャルワーカーさんが記入するので来たことだけでかまいません。

また、社会的側面を書いておくと、担当看護師に「この看護学生は患者のことを真剣に考えているんだな」というアピールや担当看護師自身が記録の書き方について振り返りすることができます。

2) 身体的側面を書く。

患者の状態ごとに記入すべき内容は変わっていきますが、バイタルや移動方法、食事などのことを記入していきます。私は器官ごとにまとめて書いていました。

ある程度、安定している患者さんであればバイタルや水分出納表などが別にあるのでそれを参照に、という風に記入することもできますが、発熱や下痢、尿道留置カテーテルなどの今までになかった出来事を書いていきます。

食事も介助が必要であることや食事形態、食事中は車椅子に座らせる、などの注意事項も記入していきます。

私は器官ごとにまとめて書いていたので、記入することも考えやすかったです。例として呼吸器系であれば、酸素吸入をしているのか、異常な呼吸があったか、気管切開をしているために吸引をしているのか、などを書きます。

二つ目に重要な項目としては痛みです。術後の痛みのコントロールが出来ているのか、痛み止め以外にどのような処置をしたのか、痛みのレベルが下がったのか、など記入していきます。

この痛みについてですが、バイタル表に痛みの評価について書く項目があるのでコントロールが出来ている患者さんであれば看護記録への記入は省いても構いません。

3) その他

傷口の状態についてなどは別項目として書いていきます。医師の指示によりドレッシング材が変更された、など注意事項について記入します。

また、決められた時間ごとに体勢を変えなくてはいけないことや今、左側臥位なのか右側臥位なのかについて記入することで次のシフトの看護師が体勢を変える時に同じ体勢にしてしまうことを防ぐことができます。

最後に

結びとして ”Nil other concerns voiced from Pt ATOR.” と書くことがほとんどです。これは「記入中、患者から質問や心配事を聞かれることはありませんでした。」という意味になります。同じような意味で違う書き方はありますが、大体の記録でこのような文章で終わることが多いです。

“ATOR” は看護記録内で使われる略語で ”at time of report” の頭文字を取ったものになります。看護記録で使用が許可されている略語にも注意して記入しなくてはなりません。

看護師によっては書いていないこともあるので必ず書かなくてはいけない、ということではありません。ですが、書いておくことで記入中も患者さんの事を気に掛けていますよ、という証拠になるのです。

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